「過剰症」本当は…?
噂の多い「ビタミンA」
ビタミンB群に続き、脂溶性ビタミンシリーズに突入です。今回は、世界的に注目されているにも関わらず、過剰症の危険性から摂取に消極的な方が多い「ビタミンA」について紹介します。
そもそもビタミンAは、夜盲症(鳥目)の予防や粘膜強化などの働きがあることで良く知られています。細胞内での情報伝達に関与し、細胞分裂化を正常に誘導することで、免疫強化やガン予防・改善にも役立つと、注目されています。
体内の活性酸素を消去したり、粘膜成分の生成を促進し、のどや胃腸などの粘膜保護、皮膚や骨の老化抑制・再生、視力の強化・改善、ステロイドホルモンの生成や生殖機能維持などに働いています。
ですから、不足すると肌や目の乾燥、風邪を引きやすい、暗いところで物が見えにくい、貧血などが起こることもあります。(別紙参照)
しかし、ビタミンAは大量に摂取すると、体内に蓄積し過剰症を引き起こすとして摂取に消極的な方も多いもの事実です。特に、「妊娠中にビタミンAを摂取すると胎児の発育の発育に悪影響を及ぼす」との報告もあったことから、「怖いビタミン」と長く認知されてきました。
実際、ビタミンAの代謝は長い間謎に包まれていました。しかし、肝臓や肺、腎臓や子宮などに「ステレイトセル」というビタミンA貯蔵細胞が発見され、生体にとって必要不可欠な栄養素であることが分かりました。
人は、かなりの量のビタミンAを貯蔵できるため、欠乏するのはまれだと考えられていましたが、多くの現代人はそれほど摂取できていません。さらに、極端なタンパク質欠乏状態や脂肪便症、甲状腺機能障害、感染症、外傷患者はビタミンAの利用低下や欠乏、消費亢進が増大するとも言われます。ビタミンAは、主に肉類や卵、乳類、魚介類などの動物性食品に多く含まれます。また、ビタミンAの前駆体であるカロテン「マルチカロチノイド」は、緑黄色野菜、果物などの植物性食品に多く含まれます。サプリで取る場合は、合成のビタミンA(レチノイン酸)でなく、天然のビタミンAやカロチノイドで摂取すれば、過剰症や胎児への危険性は無いと言われています。
こんな人は不足しているかも!? |
▢ 肌が乾燥・ガサガサする |
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