なるほど栄養学 現代人のカラダ事情<36>

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生殖力や生命力をつける

若返りの「ビタミンE」

 ビタミンEの化学名は「トコフェノール」。ギリシャ語のトコス=子ども、フェライン=得る、オール=水素基(OH)を合わせた言葉で、つまり「子どもを得る水素基」という意味を持ち、ホルモン活性化作用があります。

 また、末梢血管を広げて血行を良くする働きもあるため、冷え性の改善にも欠かせません。寒さが厳しい、この時期に特に摂取したい栄養素でもあります。

 さらに強力な抗酸化作用があることから、「若返りのビタミン」とも言われています。それはビタミンEに、不飽和脂肪酸が酸化し過酸化脂質になるのを防ぐ働きがあるためです。体内に過酸化脂質が増えると、細胞を破壊したり、異常細胞を形成して細胞死を早めます。ビタミンEは、そんな過酸化脂質の生成を防ぎ、老化やガンの予防に働くと考えられています。また、血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化によるリスクも予防します。

 ビタミンEが不足すると、老化現象や生活習慣病が表れやすくなります。生殖組織が弱まり、生理不順、不妊、更年期障害による自律神経失調症などの症状を招きやすいことも分かっています。詳細は別紙をチェックしてください。

 日本では、ビタミンEの目安量は成人男性が一日7~9㎎、成人女性は7~8㎎(授乳婦は+3㎎)とされています。しかし、スポーツ選手や日光を多く浴びる方、喫煙者、大量飲酒者、汚染物質の多い環境、ストレスの多い生活、加工食品を多く取る方は需要が増大します。さらに、分子栄養学の世界では、一日100㎎以上の摂取を推奨しています。ビタミンEは多くの食品に含まれていますが、特にアーモンドや松の実、ゴマなどの種子類や小麦胚芽や米胚芽などに多く含まれています。サプリメントで摂取する際は、ビタミンCやビタミンA(カロチノイド)、トコフェノール(ビタミンEの仲間)など、他の抗酸化物質と一緒に取りましょう。ビタミンEは、活性酸素を消去すると、自らが酸化してしまいますが、ビタミンCやビタミンAは酸化したビタミンEを元に戻し、再び抗酸化作用を発揮できるように作用します。

 こんな人は不足しているかも!?

 ▢ シミが出てきた
 ▢ 最近、年齢を感じる
 ▢ 不規則な食生活を送っている
 ▢ 疲れがたまっている
 ▢ 冷え性である
 ▢ 微熱が続く
 ▢ 生理不順である
 ▢ 生理痛がひどい
 ▢ 不妊症である
 ▢ 更年期障害が気になる
 ▢ 肩こりや頭痛が多い
 ▢ 胃腸の調子が悪い

 

35.噂の多い「ビタミンA」 | 目次 | 37.ビタミンEの上手な摂取法