なるほど栄養学 現代人のカラダ事情<34>

が投稿

複合で摂取しよう

ビタミンB群のまとめ

今回は、ビタミンB群のまとめをしましょう。

 代表的なビタミンB群はB1、B2、B3、B5、B6、B12、葉酸、ビオチン、イノシトール(B様栄養素)と数種類あります。

 ビタミンB群は「代謝のビタミン」と呼ばれ、エネルギー産生のすべてのプロセスに関与しています。あらゆる種類の酵素の補酵素(酵素活性のサポート)として相互に作用しているため、単品で摂取するよりも、B群ビタミンとして複合で摂取するのが望ましいです。

ほかにも、粘膜・皮膚の機能維持や脳、神経系の機能維持にも働いています。不足すると、疲れやすい、日中眠くなる、いらいらする、集中力が続かない、口内炎・口角炎ができやすい、風邪をひきやすい、下肢がしびれるなどの症状が現れます。

 もともとビタミンB群は動物性食品に広く存在し、日本人の食生活では不足することはないと考えられていましたが、現代人はかなりの方が欠乏しているようです。その理由は別表を参考にしてください。

 また、妊娠、授乳期も必要量は増加するため、至適量(個体差に応じた量)の補給を心掛ける必要があります。

 ビタミンB群に関する研究レポートは数多くありますが、中でも脳や神経系の発達に有効であり、母親がしっかりB群を摂取した場合、生まれてくる子供のIQに違いが出るとこ研究「チェラスキン・レポート(米国)」は有名です。妊娠や子育てを考える女性にとって大切な栄養素といえます。

 B群が足りているかを把握するために、分子整合栄養学を実践している医師らは、血液データのGOT(AST)、GPT(ALT)に注目します。これらの項目は通常、肝臓や心筋、骨格筋や赤血球などの障害で逸脱しますが、組織障害がない場合はB不足、特にB6 欠損を反映し、低値を示すことがあります。特にGPT(ALT)が10を切るという方は、慢性的なB6欠損を疑います。低値の方は、皮膚や粘膜症状が発生する可能性があります。まずは、ご自分の検査データをチェックしてみましょう!

 不足する原因はコレ

 ① 食品の精製や加工、保存によるビタミンB群含有量の低下
 ② アルコールやカフェインの過剰摂取による消費量の増加
 ③ ストレスによる消費量の増加
 ④ 慢性炎症や感染症、悪性腫瘍や甲状腺機能亢進症などによる消費量の増加
 ⑤ ピルや胃酸抑制剤、ステロイド、抗がん剤などを服用している場合、ビタミン吸収、作用が阻害される。
 ⑥ 高カロリー輸液を静脈注射する場合、糖代謝を円滑にするためにビタミンB群が必須のため、消費量が多い
 ⑦ ビタミンB群は腸内細菌によって生合成されるが、抗生物質の長期服用により、細菌の働きが乱れ、合成量が減少する

 

33.ビタミン様物質「イノシトール」 | 目次 | 35.噂の多い「ビタミンA」