なるほど栄養学 現代人のカラダ事情<12>

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脳は意外に大食漢!

食事は糖質補給を考えて

 エネルギー補給に大切な食事。その1日3回の食事のうち、2回は脳のために食べているということをご存知ですか?

 脳はエネルギーの消費が大きく、特に、赤ちゃんの脳のエネルギー消費は身体全体の50%と言われています。子供の脳の発達には相当量のエネルギーほ必要としており、成長期のエネルギー不足は、後々まで響いてきます。脳の重さは、体全体の1/50程度ですが、総エネルギー消費量の1/5は脳で消費していることからも、いかにエネルギーを必要としているか分かります。

 その活動を支えるエネルギー源が他ならぬ糖質なのです。

 脳が1日に必要なブドウ糖の量は120g(ごはん3~4杯分)。睡眠時には身体エネルギー消費は20%程度低下しますが、脳のエネルギー消費量は変わりません。脳へのブドウ糖補給を3分でも切らすと脳神経細胞が機能を失うため、身体は24時間

脳への酸素とブドウ糖の補給を優先に働いています。

 そのため、体ではブドウ糖を貯蓄しています。血液中に5g、グリコーゲンとして肝臓に60g(12時間分のエネルギー相当)備えています。筋肉にもグリコーゲンが蓄えられていますが、これは脳のエネルギーにはなりません。

 だからこそ、毎日の食事は大切。実際に食事からとるエネルギーの60%は糖質(ごはん、パン、麺類、果物、菓子類など)ですが、1回の食事では60gしか肝臓に蓄えられないので、必要以上に取った場合は脂肪として蓄積されます。つまり、1回の食事で60gということは、エネルギー必要量120gを確保したい脳のために、1日2食は必須なのです。

 脳は睡眠中もエネルギーを消費し続けますから、起きた直後は、血糖値が低くなっています。そうすると、脳の活動も低下するので、朝食は糖補給を考えて取りましょう。理想的なメニューは、1汁1菜。優れた糖質源であるごはんに、みそ汁、卵料理など。トーストと卵焼き、野菜の組み合わせも良いでしょう。

 脳力UP!望ましい朝食

 和食も洋食も基本は1汁1菜で。
 和食パターン
  糖質源となるご飯はもちろん、みそ汁も付けましょう。主菜はタンパク質源として、魚の塩焼きか卵料理、納豆、野菜のおひたしなどが良いでしょう。

 洋食パターン
  糖質源となるトーストに、主菜はタンパク質補給を考えて卵焼き、ハムエッグ、サラダなどの野菜料理がおすすめです。

 

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