食いだめできない栄養素
タンパク質について②
多くの方が、「肉も魚も食べているし、タンパク質は十分摂取できている!」と思っているのではないでしょうか?飽食と言われる現代で、まさか不足しているとは思っていないでしょう。ところが、タンパク質は糖質や脂肪とは異なり食いだめができないため、不足しがちな栄養素なのです。
タンパク質は、体内でアミノ酸に分解されて血液や細胞、組織、臓器などを構成する材料となり、身体の部品交代に使われます。体内でのタンパク質の新旧交代は非常に活発で、肝臓、腎臓、腸粘膜などは約10日間で入れ替わります。また、そのほかの組織でも一定のスピードで絶えずタンパク質は部品を取り替えており、体全体としては約3週間でタンパク質の半分が新陳代謝されています。従って、タンパク質は毎日、いや毎食補給しなければいけない栄養素ということになるのです。
タンパク質が不足すると、下表のようなさまざまな症状が表れます。チェックしてみてください。
また、血液検査のデータからも、病気や疾患がないことを前提にし、数種の検査項目を見ることで、その不足の程度を知る事ができます。
まずは、血中総タンパク質の値が7.5くらい(g/㎗)が望ましく、血液中のタンパク質の主成分であるアルブミンは4.5(g/㎗)以上あれば理想的です。
また、次に注目するのが尿素窒素(BUN)という項目です。これは15~16(mg/㎗)が望ましい値です。尿素窒素の窒素は、タンパク質を構成するアミノ酸の最終代謝産物なので、摂取状況をダイレクトに反映します。BUNが10以下の方は摂取不足を疑います。自分の身体の声を聞き、確認してタンパク質不足に気をつけましょう!
次回も、摂取方法を含め、タンパク質についてお話します。
タンパク質不足で表れる症状 | |
タンパク質が足りないと、下記のような症状が表れます。思い当たる項目が多いならば摂取不足かも。チェックしてみましょう。 | |
□ やる気が出ない |
□ 夕方にドッと疲れがでる □ 風邪をひきやすい □ 傷の治りが悪い □ 肌の張りがない □ 貧血 □ 顔色が悪い □ 冷え症 □ 老化 □ むくみ □ 生理不順 |
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