何回かに分けて摂取
ビタミンCを効果的に取るには
ビタミンCには多くの働きがありますが、その代表は、やはり「抗酸化」です。その強い抗酸化力は、ビタミンEとともに体内に発生した活性酸素を消去し、細胞の一つ一つを老化から守ってくれます。
ビタミンCはこれまで、「水溶性で、大量に摂取しても尿中に出るからムダ!」と言われてきました。
しかし近年、所要量ではなく、個体差を考慮した至適量を投与し、効果が確認されたことから、注目されるようになりました。
至適量を摂取すれば、一部は流出しても、そのほかは血液や組織のビタミンC濃度を高める働きをします。この濃度がさまざまな働きをすることが分かってきました。
体内でビタミンC濃度が高い組織は、副腎、脳下垂体、目の水晶体です。これらには血液中の100倍近い高濃度のビタミンCが存在しています。特に、神経伝達物質の合成や抗ストレスホルモンである副腎皮膚ホルモンの生成に不可欠で、ストレスが多い人ほどビタミンCを消費しています。
ビタミンCの研究では有名な分子整合栄養医学の提唱者、ライナス・ポーリング博士は1970年代、まだ人々がビタミンCに関心を寄せていない時期に多くの知見を発表していました。例えば、今では常識となっている「上気道感染(風邪など)の予防に一日1000㎎のビタミンC摂取の有効性」。また、「ビタミンCによる白内障予防」など。白内障の予防では、有害紫外線を防ぐことがカギとなり、それには1000~3000㎎のビタミンCを摂取することが有用とされています。沖縄のように一年を通して強い日差しが降り注ぐ地域では白内障の患者も多いので積極的は摂取が必要です。
ビタミンCは、一般的に一日に1000㎎~3000㎎を何回かに分けて摂取すると効果的です。風邪のひき始めには、ビタミンC1000㎎を1時間ごとに数回摂取するのがベストです。喫煙はタバコ1本につきビタミンCを25㎎消費すると言われているため、喫煙者はしっかり補いましょう。
ビタミンCは大量に摂っても特に副作用はありませんが、穏やかな下痢を起こす場合があります。逆に便秘症の方には役立つでしょう。
こんな人は不足しているかも |
▢ 感染症にかかりやすい |
<47.「壊血病」で発見 ビタミンC | 目次 | 49.ビタミンCの意外な事実>