重要かつ多彩な働き
微量ミネラルを一挙紹介
カルシウムやマグネシウムなど、一日の必要摂取量が100㎎以上のものを主要ミネラルといいます。
一日の必要摂取量が100㎎未満のものは「微量ミネラル」に分類されています。微量ながら体内で重要、かつ多彩な働きをする微量ミネラルたちを紹介しましょう。(鉄や亜鉛も含まれますが、以前に紹介したので今回は省きます)
まず、赤血球の生成に不可欠なミネラルが「銅」です。鉄や亜鉛と一緒に摂取することで貧血の予防や改善に有効です。活性酸素を無毒化する抗酸化力や、血管や骨形成にも深くかかわっています。
「セレン」は、抗酸化酵素の合成に不可欠です。ガンや老化予防に関与し、さまざまな病気にもその効果が研究され始めています。ビタミンEと一緒に併用するとより効果的。その他、水銀の無毒化、甲状腺ホルモンの活性化や精子の働きの活性化にも働きます。
甲状腺ホルモンの材料となっている「ヨウ素」は。基礎代謝UP、および健康な皮膚や髪には欠かせません。不足すると成長障害を引き起こします。
ストレスの多い方やお酒を飲む方が気になる、尿酸値の代謝には「モリブデン」が必要です。有害物質を分解し、不足すると通風を引き起こします。
鉄の利用を高めて貧血の予防にも働いています。
体内のエネルギー産生の場であるミトコンドリアには、「マンガン」が多く分布し、体内で発生する活性酸素の無毒化に働いています。骨の代謝や血管を保護するムコ多糖類の生合成に不可欠です。
ビタミンB12の構成成分である「コバルト」は、B12同様、貧血予防や神経機能の正常化作用があり、不足は悪性貧血や神経障害を引き起こすことが知られています。
そして近年、メタボ改善ミネラルとして大変注目を集めているのが「クロム」です。脂質代謝、血糖値の正常化に関与します。欠乏は、インスリン抵抗性、脂質代謝異常を招きます。
微量ミネラルは、重要なものの過剰摂取による毒性の発現もあるので、十分な注意が必要です。薬理作用をいかし、障害性のない至適量をどう考えるか、今後の研究が待たれている段階です。
微量ミネラル 多く含む食材 |
鉄・・・レバーやひじき ヨウ素・・・海藻類 |
<45.亜鉛不足が招くこと | 目次 | 47.「壊血病」で発見ビタミンC>