若者に急増 味覚障害
亜鉛不足が招くこと
「味覚障害」は亜鉛不足が引き起こす症状として広く知られています。舌の表面に多く存在する味覚細胞の形成には亜鉛は必要不可欠です。亜鉛が不足すると、初めは濃い味を好み、徐々に「何を食べても味がしない」「味が薄く感じる」との味覚障害を引き起こします。
以前は代謝が衰える中高年に多い症状でしたが、最近は食生活の乱れが原因で、若い世代や子供にも増えています。加工食品や精製加工食品は亜鉛含有量少なく、吸収を妨げる食品添加物も多く含まれているので注意が必要です。
亜鉛は、ほかにもタンパク質やコラーゲン合成など約100種以上の酵素反応にかかわっています。核酸の合成、細胞の分裂促進、傷や組織の修復、インスリンの合成、老化やガンを促進する活性酸素を抑える働きをします。
不足すると、風邪をひきやすくなったり、免疫力の低下、肌荒れや皮膚の乾燥、視力低下や爪の変形、割れやすさ(白い斑点など)、脱毛が起こることもあります。
また、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌に必要です。亜鉛不足は月経前緊張症、生理不順、不妊とも深く関係しています。
男性も、男性ホルモンや精子の生成など、性機能にも深く関係しています。亜鉛が不足すると、やる気の低下や男性ホルモン分泌量の減少、精子の減少、前立腺肥大、性腺の発育障害など性的な機能障害が現れることがあります。
母乳中の亜鉛含有量は初乳が最も高く、調製粉乳で育った乳児に皮膚障害が発症しやすいのは亜鉛が不足しているからでは?とも言われています。
さらに激しい運動といった身体的ストレスや精神的ストレスがかかると、亜鉛の尿中排泄が増加することも報告されています。アルコール分解にも亜鉛が大量に使われるため、お酒をよく飲む方も注意が必要です。また、血液検査項目でALPの値が100を切っている方も不足が疑われることもあります。
ちなみに亜鉛は、牡蠣やうなぎ、牛肉、チーズ、レバー、卵黄、大豆、納豆、豆腐、カシューナッツやアーモンドなど、「動物性の食品、穀物、種子類に多く含まれます。
こんな人は不足の可能性大! |
▢ 皮膚が乾燥する |
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