血圧に大きく関与
生活習慣病予防に「カリウム」
骨粗しょう症や高血圧の予防のために取っておきたいミネラルが「カリウム」です。
カリウムは、そのほとんどが細胞内に存在しています。そして、細胞の外に存在するナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、血圧の調整、筋肉の収縮・弛緩(しかん)、神経の伝達などに働いています。
食物には、バナナ、アボカドなどの果実類、ほうれん草などの野菜類、さつま芋などの芋類、大豆や小豆などの豆類、魚類、肉類に多く含まれています。(図参照)さまざまな食物に含まれているため、カリウム不足はあまり重要視されていませんでした。」確かに、バランスの取れた食生活を送っていれば不足することはまれですが、ストレスの多い人、図表のような人は不足している可能性が大きいと言えます。特にストレスが多い人は、カリウムが尿中排泄されてしまい、血圧の上昇を招きます。
カリウムには体内の余分なナトリウムを排泄する作用もあり、ナトリウム過剰な場合だけでなく、カリウム不足でも血圧上昇が起こるため、生活習慣病(具体的には高血圧)の予防を考えると積極的に補給したほうが良いでしょう。
最近の研究では、カリウムが骨粗しょう症の予防に関係していることが示唆されています。これは、カリウムの摂取量が増えると、身体からカルシウムが排出されるのを防いでくれます。ナトリウムを多く摂取すると尿中へのカルシウム排泄量が増えるため、ナトリウムとカリウムのバランスが重要なのかもしれません。
カリウムの目安摂取量は、男性で2000㎖、女性で1600㎖とされていますが、これは体内のカリウム量を維持するために設定された値です。生活習慣病(高血圧など)の予防のためには、300㎖~3500㎖のカリウムを取ることが望ましいとされています。
必要量を上回っても排泄されるため、日常的には過剰の心配はありません。しかし、腎臓の機能が低下している人は排泄する機能が十分に働かないため、高カリウム血症になることがあります。高カリウム血症は、不整脈や血圧の低下などを引き起こすため注意が必要です。
こんな人は不足しているかも |
▢ 新鮮な野菜や果物を毎日食べない |
カリウムを多く含む食材 |
カジキ(1切れ)・・・380㎖ |
<43.カルシウムの兄弟「マグネシウム」 | 目次 | 45.亜鉛不足が招くこと>