美容だけじゃない!
話題の「コエンザイムQ10」
化粧品などでよく目にする「コエンザイムQ10(以下CoQ10)」。最近、急に話題になっていますが、新しい栄養素ではなく35年ほど前には、心不全の改善薬として用いられていました。しかし、改善例が少なく(投与量が少なかったためのようです)、効果がない薬だと
認知されていました。
ここ10年で規制が緩和され、効果が改めて注目されているCoQ10について説明しましょう。
CoQ10は、別名を「ユビデカレノン」と言い、ラテン語の「普遍的に存在する」との言葉が由来です。名の通り、多くの生物に存在し、エネルギー産生と抗酸化作用という、私たちが生きる上で必要不可欠な働きをしています。
脳や心臓、肝臓や肺、歯周組織、免疫系など多くの器官、体内のすべての細胞に存在し、その多くがエネルギー産生器官であるミトコンドリアに分布。その中心的な補酵素として働いています。ミトコンドリアに働きかけてエネルギー産生を助け、体内の脂肪酸を燃焼させるのに貢献するため、ダイエットにも役立ちます。
また、ビタミンEやCなどとともに抗酸化ネットワークを作り、がんや老化を誘引する活性酸素の消去に働たり、LDL(悪玉)コレステロールの酸化や動脈硬化の予防にも働いています。ミトコンドリアが密集している心臓においては、心不全の治療薬として用いられていますし、高血圧や歯周病などの治療にも有用性が認められています。男性の生殖機能の低下、アルツハイマー病の改善にも有用とされています。
そんなCoQ10ですが、20歳をピークに年々体内量が減少します。大豆、アーモンド、ホウレンソウ、魚肉などに含まれますが、100㎎のCoQ10を取るには、イワシだと約20匹も必要で、食事からの摂取だけでは不十分と言われています。
50歳以上の方やスタチン系の薬を使用している方、アスリートや美容効果を狙いたい方、そしてビタミンB群を摂取していても症状の改善が見られない方などは、サプリメントで一日100㎎から300㎎を補給することが望ましいでしょう。CoQ10は、脂溶性ビタミンなので、サプリはミセル(乳化)されたものが吸収率が良いです。
こんな人は不足しているかも!? |
▢ 疲れやすい |
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