妊娠・授乳期に必須
肌と神経に影響 ビタミンB6
これまで、ビタミンB群について説明してきましたが、残すところB6、B12、葉酸となりました。今回はB6について説明します。
B6の最も重要な働きは、「タンパク質代謝」です。B6をしっかり取ると、タンパク質が有効に利用されるので皮膚や髪が丈夫になります。しっしんやにきび、毛嚢炎の改善にも有効です。
さらに、B6は、神経伝達物質の1つであるGABAの生成に関与しているので、不足する落ち着きがなくなったり、イライラしたり、中枢神経が異常に興奮してけいれんなどが起こるともいわれています。
授乳中のお母さんがB6欠乏になると、母乳のB6も減るため、赤ちゃんの落ち着きがなくなったり、夜泣きが激しくなることもあるようです。逆に、B6をしっかり取っていれば、赤ちゃんは夜もすやすや眠ってくれ、子育てがとても楽だという話も聞きます。
最近の研究では、B6が小児ぜんそくの発作を防ぐなど、免疫力を向上させることが分かってきました。また、B6の摂取はアレルギー症状を軽くする効果もあるとされ、ぜんそくや花粉症、慢性鼻炎など免疫系の症状がある人はぜひ取っておきたいビタミンです。
さらに女性は、月経前の排卵期になると血中のビタミンB6濃度が著しく低下することが分かっています。これは排卵期に放出されるエストロゲン(女性ホルモン)がアミノ酸代謝を促進させ、ビタミンB6が大量に消費されることがその原因とされています。実際イギリスでは、イライラや吐き気、頭痛やだるさなどを伴う生理痛や月経前症候群患者にビタミンB6を使用することもあるようです。
つわりの原因にもB6不足が指摘されており、症状改善へのビタミンB6投与の有効性が報告されています。
B6は肉、魚、全粒小麦粉パン、大豆、アボカド、ピーナッツ、くるみ、新鮮な果物、特にバナナや野菜などは優れた供給源です。サプリなどでしっかり補給する際は、マグネシウムやB2も合わせて摂るようにしましょう。
こんな人は不足がち |
▢ 肉や酒をよく取る人 |
<27.パントテン酸 通称「パンスト」!? | 目次 | 29.細胞の健康を維持 ビタミンB12>