なるほど栄養学 現代人のカラダ事情<23>

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ダルさと疲労の改善に

力のビタミン「B1」

 これから、沖縄の暑く厳しい夏を乗り切るためには、「ビタミンB群」の摂取が大切です!

 そもそもビタミンとは、炭水化物やタンパク質、脂質、ミネラルと並ぶ必須栄養素のひとつで、体内の生理作用を円滑に行うための働きをしています。そのほとんどが、体内で合成できないため、食べ物から摂取する必要があります。その所要量については別表を参考にしてください。

 中でもビタミンB群は、タンパク、糖質、脂質からエネルギーを産生する重要な働きをしているため「代謝のビタミン」と言われています。今回は、B群の中でも「力のビタミン」と呼ばれ、効率よくエネルギーを産生するために欠かせない、ビタミンB1にスポットを当てて説明します。

 ビタミンB1は、エネルギー源であるブドウ糖を、ミトコンドリアというエネルギー生産工場へ導く働きをしています。ビタミンB1が不足するとエネルギー産生が停滞し、エネルギーを作り出す過程で疲労物質である乳酸が生まれ、寝ていても疲れが取れなかったり、日中眠くなったり、肩こりや筋肉痛などが起こる原因ともなります。

 また、ビタミンB1は、神経細胞内に存在して、神経で使われるエネルギーを供給しています。このため、不足するとイライラしたり精神が不安手になるなど、神経症状が現れることもあります。

 頭脳労働者やストレスの多い方は、お菓子や甘いものを取ると、脳にエネルギーが補給できると言われていますが、糖質を効率よくエネルギーとして利用する場合にも、ビタミンB1を同時に補給する必要があります。B1がなければ摂取した糖質もスムーズにエネルギーとして利用できないだけでなく、だるさ、手足のしびれ、けん怠感などを引き起こす場合もあります。

 そして、お酒を飲む人のほとんどが慢性的なB1不足の状態にあります。お酒、糖分の過剰摂取やストレスもB1を消耗させ、必要量を増加させますので注意しましょう。

 B1をはじめ、B群をしっかり補給すればエネルギー産生量が上がり、体が軽く感じることでしょう。

 ビタミンB群の種類

 ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リポフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6(ビリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンB15、ビタミンB17、PABA、イノシトール、葉酸、コリン、リボ酸、パントテン酸

 ビタミン「所要量」の誤解

 よく目にする、ビタミンの所要量は、「これ以下に低下すれば重篤な症状が出現する」という、最低限の基準値です。しかし、「これだけ取れば安心!」と思っている人が多いのが現状です。ストレス社会や、過度な飲酒や喫煙はビタミンの吸収を妨げ、消費量を増やします。ですから、所要量よりたっぷり目に取りたいもの。食事だけでの摂取は難しいため、サプリメントを有効に活用することをおすすめします。

 

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