なるほど栄養学 現代人のカラダ事情<9>

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脂肪ためにくい体に

燃焼系!アミノ酸

 年末年始に食べ過ぎて体重が気になる!という方、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

 身体は、食べ物から得たエネルギーが消費エネルギーより多くなると、余った分を脂肪として蓄積します。蓄積された脂肪を減らすには、エネルギーとして消費するしかありません。そのためには運動も大切ですが、今回は基礎代謝を上げ、脂肪分解に深く関与している燃焼系アミノ酸「アルギニン」「オルニチン」「リジン」そして「カルニチン」についてお話します。

 アルギニン、オルニチン、リジンには、筋肉組織を作ったり、成長ホルモンの合成や分泌を促進させる働きがあります。成長ホルモンは、骨の成長を助けるなどの働きをしますが、20歳ごろをピークに加齢・ストレス・運動不足により低下していきます。その結果、筋肉量の低下、体脂肪の増加、骨密度の低下、肌のハリの低下などを引き起こすことが分かっています。

 成長期を過ぎても、成長ホルモンの分泌を促すには、アルギニン、オルニチン、リジンの摂取が大切です。これらを摂取することで、①筋肉量の増加、➁体脂肪の減少、③骨の強化、④血圧を整える、⑤コレステロール値の改善、⑥心機能の改善、⑦免疫機能の改善、⑧傷の治りを高めるなどの働きが促進されます。

 また、脂肪をエネルギーに変えるアミノ酸として注目されているのがカルニチンです。カルニチンは、脂肪酸がエネルギーとして利用されるために不可欠なアミノ酸です。不足すると、運動してもやせにくく、脂肪酸が体脂肪として蓄積しやすくなります。

 脂肪燃焼を期待するのであれば、カルニチンを適量摂取したいものです。さらに、カルニチンの生合成に不可欠なビタミンCや鉄の摂取も心がけましょう。女性は貧血だと、脂肪燃焼を促進する酸素利用率が低下するため、ダイエットに不利と言われています。

 ダイエットは、単に「食べない」のではなく、総合的な栄養サポートを視野に入れて実行しましょう。

 燃焼系アミノ酸 摂取にはこの食材!

 ◆アルギニン
 肉類、乳製品、ナッツ類、大豆食品など

 ◆オルチニン
 しじみ、キハダマグロ、ヒラメなど

 ◆リジン
 サワラ、サバ、小麦胚芽米、オートミール、そば、高野豆腐、納豆など

 ◆カルニチン
 肉類、マグロ、カツオ、カツオ節など

 

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