なるほど栄養学 現代人のカラダ事情<5>

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組み合わせで効率UP

アミノ酸スコアって?

 タンパク質は、約20種類のアミノ酸がさまざまな形で結合したものです。前回もお話しましたが、食品中のタンパク質はアミノ酸に分解され、腸で吸収されます。そして、肝臓内でそのアミノ酸を組み合わせ、体に必要な形のタンパク質を作るのです。

 ヒトの体を構成するアミノ酸は20種類ありますが、そのうち9種は体内で合成できないため、食品から摂取しなければいけません。これらを「必須アミノ酸」と言います。そして、食品に含まれるアミノ酸組成を分析し、最も不足している必須アミノ酸を基準に、どのくらいの量のアミノ酸が体内で利用できるかを表すのが「アミノ酸スコア」です。

 分かりやすく例えると、必須アミノ酸を「桶」の材料(下図参照)とし、その中に入る水の量が、体内で利用できるタンパク質量です。

 桶には一番少ないアミノ酸(図ではリジン)の高さまでしか水は入りません。アミノ酸スコアが高いほど、桶に入る水、つまり利用できるタンパク質も多いのです。

 食品を「アミノ酸スコア」で評価すると、肉・魚・卵・牛乳などの動物性食品のタンパク質は良質です。米・パン・麺・イモなどの植物性タンパク質は少し劣りますが、動物性食品と一緒に取ることで、効率がよくなります。植物性タンパク質でも、大豆タンパク質は牛乳や卵と同様に、栄養的に優れたタンパク質であると再評価されています。しかし、便秘になりやすい方は大豆食品に偏ったタンパク摂取は控えめにしましょう。

 タンパク質を取る際は、「アミノ酸スコア」を意識し、食材の組み合わせや量的なバランスを考慮し、メニューを組み立てると良いでしょう。目安は、1日の食事に肉、魚介類、卵の動物性タンパク質を3回は取り入れ、大豆や豆製品を2回は取りましょう。そうすれば、量・質ともに1日に必要なタンパク質の大よそが取れるでしょう。

 

4.タンパク質の消化と吸収 | 目次 | 6.タンパク質のおさらい