なるほど栄養学 現代人のカラダ事情<6>

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要点押さえ摂取しよう

タンパク質のおさらい

 これまで4回にわたって『タンパク質』についてお話してきました。いかにタンパク質が重要な栄養素であるかお分かりいただけたと思います。今回は、これまでお伝えしたタンパク質について、おさらいをしてみましょう!

①我々はタンパク質で出来ている!

 我々の筋肉や骨、歯や内臓諸器官、皮膚、毛髪にいたるまですべてタンパク質からできています。それと同時に、血液やホルモン、酵素の材料でもあり、さらにはエネルギーにもなることから、生命現象の中心的な役割を果たしている栄養素です。だから毎食摂取する必要があるのです。

➁タンパク質の適量は個々に違う!

 健康な身体をキープするためには1日、体重1kgにつき約1g~1.5gが必要です。しかし、必要量は体内での利用率や日々の精神的、身体的なストレス(過労や運動、筋肉トレーニングなど)によって増加します。また成長期や妊娠、授乳期も必要量は増加します。

③消化・吸収がポイント!

 タンパク質は消化吸収されて初めてその役目を果たします。特にピロリ菌感染者、萎縮胃の方、胃酸分泌抑制剤を服用している方、そして現代人に多いストレスフルな方は、タンパク質をきちんと消化することが難しくなってきます。消化器症状の有無にかかわらず、ピロリ菌検査はどなたでも受けた方が良いでしょう。

④組み合わせで効率UP!

 タンパク質(アミノ酸)は動物性タンパクと植物性タンパクを上手に組み合わせて取ることで体内での利用効率がUPします。最近では、大豆タンパク質が動物性タンパク質と同様に栄養的に優れていると再評価されていますが、極端な菜食では、必須、非必須アミノ酸を適量確保するのは難しいもの。動物性、植物性タンパク質をバランスよく取ることが大事です。

 以上を意識し、毎食しっかりタンパク質を取りましょう!次回は、最近注目のアミノ酸栄養についてお話します。

タンパク質を多く含む食材
食材 含有量
シャケ(100g) 22g
牛ヒレ肉(100g) 21g
豚ロース肉(100g) 19g
沖縄豆腐(100g) 9g
分離大豆タンパク質(10g)
大さじ2杯
8g
牛乳(200㎖) 7g
卵(1個) 6g
※食品に含まれるタンパク質は加熱処理により熱変性を起こすので、実際のスコアは下がります

 

5.アミノ酸スコアって? | 目次 | 7.タンパク質の消化と吸収